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太陽光発電や省エネ設備の導入目的は電気料金の削減という方が多いと思いますが、もちろん同時に気候変動対策にもなっており、SDGsの推進という意味もあります。その自社の社会貢献を広く認めてもらってはいかがでしょうか?
法的に報告義務がある大企業などと異なり、中小企業では、太陽光発電やその他の省エネなどの脱炭素活動を含め、「どのくらい脱炭素に貢献しているのか」を数値で表現することはあまり行われません。しかし、社会の脱炭素化が年々進み、徐々に中小企業にも排出炭素量の計算や削減計画の提示などが求められてきています。
各企業の脱炭素の取り組み、貢献度を公的に認めてもらう方法にJクレジット制度があります。自社の取り組みが、気候変動対策としてどのくらい貢献しているのかを、客観的に評価しクレジットとして数値化して表現することができます。
例えば、「わが社は昨年1年間で100tonのCO2を削減した」と言うような形です。なかなか、見えにくい社会貢献度でありますが、国が認証してくれるので外部から見たその信頼性は高いといえます。
また、そのクレジットを売却し、収益にすることも可能です。中小企業では、制度が複雑で、手続きに費用もかかるのでせっかく脱炭素(CO2削減)を行っていても、クレジット化が行われていないケースがほとんどです。ある意味もったいないと言えます。
今後、政府はカーボンプライシングとして、Jクレジット制度の活用を広めていく計画でもありますので、是非、一度自社の脱炭素活動のクレジット化を考えてみてはいかがでしょうか?
1.Jクレジット制度とは
Jクレジット制度は、日本国内での環境保護と持続可能な社会への貢献を促進するために作られた制度です。具体的には、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2排出削減量や、適切な森林管理によるCO2吸収量を「クレジット」として国が認証し、企業や団体が環境への貢献を証明できる仕組みです 。
また、利用しないクレジットを売却して収入を得たり、外部からクレジットを調達して、足りないCO2削減量を補うことができます。
Jクレジット制度の仕組み
Jクレジット事務局HPより
2.Jクレジットの目的
(1)温室効果ガスの削減促進
J-クレジット制度は、企業や自治体に対してCO2の削減を奨励します。省エネ活動や森林管理などによって削減されたCO2の量は「クレジット」として認定され、これを報告書に利用できます。これにより、国内の温室効果ガス排出量を減少させることを目指しています。
(2)脱炭素社会の推進
国際的な脱炭素目標に向けて日本全体の取り組みを支援します。企業や団体がクレジットを購入して自社の排出削減実績に算入することで、国際的なイニシアチブに参加できるメリットがあります。
(3)経済活性化と環境保護の両立:
J-クレジット制度を通じて、CO2削減量を売却することで収入を得ることができます。この収入を再投資することで、省エネ・再エネの設備投資や森林保護活動を促進し、経済と環境の両立を図ります。
3.Jクレジットの活用
J-クレジットは、主に以下のように活用されています。
(1)カーボン・オフセット:
J-クレジットは、企業や団体が自身の活動によるCO2排出量を相殺するために使用されます。様々な活用方法がありますが、例えば自社の製品とクレジットを組み合わせ、消費者がその製品を購入することにより脱炭素化に貢献できる仕組みをつくる、また会議やイベントなどで排出するCO2量を算出し、クレジットで相殺するなどにより、環境負荷のない持続可能な活動をPRすることができます。
(2)排出量目標の達成:
主に大手企業や団体などでは、温対法に基づく目標を達成するために、Jクレジットが活用されます。これにより、温室効果ガスの削減目標を達成し、環境への負荷を軽減します。
このように、J-クレジットは、持続可能な社会への貢献を目指す企業や団体にとって有用なツールですが、現時点では主に大手企業しか活用していないのが実情です。
中小企業では、JクレジットによるCO2削減量の公表、またJクレジットを必要とする大企業や団体などへ売却し、その収益を得るというメリットがあります。
4.Jクレジット創出の方法
Jクレジットを作り、活用するための手順は以下の通りです。
(1)プロジェクトの申請
クレジットを創出するプロジェクト実施者は、省エネや再エネ、森林管理などのプロジェクトの内容や排出削減量、検証方法などを明確に記載した計画書を環境省に提出する必要があります。
(2)プロジェクトの登録
環境省は申請されたプロジェクトを審査し、適格性や信頼性を判断し、審査に合格したプロジェクトはJ-クレジット制度に登録されます。
(3)プロジェクトの実施と報告
プロジェクト実施者は、プロジェクトの計画書に沿って排出削減活動を実施し、排出削減量や検証結果、使用したデータや計算方法などを年度ごとに環境省に報告します。
(4)クレジットの発行
環境省は報告された排出削減量の正当性や精度を検証し、合格した排出削減量に対して、J-クレジットの排出削減証明書を発行します。
(5)クレジットの利用
プロジェクト実施者(Jクレジット創出者)は自社の排出削減実績としてクレジットを使用したり、他の企業や団体に売却したりすることができます。
5.太陽光発電でもJクレジットが作れる
太陽光発電によるCO2排出削減量をJ-クレジットとして認定することができます。
しかし、前述のとおりクレジットの創出は手続きが複雑で自社で行うことは簡単ではありません。専門のコンサルタントに委託することもでき、費用の支援制度もありますが、それなりの経済的負担を強いられます。社内の人件費もかかりますので、大量のクレジットを創出して売却しないと、採算がなかなかとれません。
このため、多くの中小企業では、太陽光発電設備で削減したCO2のクレジット化によるメリットを享受できていないのが現状です。
脱炭素推進協会
この度、この問題の解決の一助として「脱炭素推進協会」を設立し、皆様の太陽光発電設備で削減されたCO2量をクレジット化するサービスを始めました。
皆様の太陽光発電設備によるCO2削減量をまとめて、当協会がクレジットの創出から売却までを代行し、その収益を還元いたします。気候変動対策に取り組んでおられる皆様の更なる脱炭素化活動に活用していただければと存じます。
ご興味のある方はこちらまで
太陽光発電設備のクレジット創出には、定められたいくつかの条件がありますので、個別に設備内容などを確認させていただき、ご相談させていただきます。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。よろしくお願い申し上げます。