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1.EVとは?電動車の種類
電動車とは、バッテリーに蓄えた電気エネルギーをクルマの動力のすべてまたは一部として使って走行する自動車を指します。
電動者に該当するのは、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、ハイブリッド車(HV)の4つです。
電動車の種類と特長 | |
BEV(電気自動車) | ■クルマに搭載した大容量バッテリーに車外から充電し、充電された電気で走行する ■ガソリンは使用しない ■日本で一般的に呼ばれているEVに該当 |
PHEV(プラグインハイブリッド車) | ■ガソリンエンジンに加えてモーター・バッテリーを搭載 ■バッテリーはHVに比べ大容量で、EVと同様に車外から充電可能 ■バッテリー充電量が多い時は、極力EVと同様に電気のみで走るが、充電量が少なくなると、必要に応じてガソリンエンジンを作動させてHVとして走行 ■燃料はガソリンと電気の2つ |
FCEV(燃料電池車) | ■水素と酸素の化学反応によって作られる電気を使用してモーターで走行 ■ガソリンは使用しない(水素で走行) |
HEV(ハイブリッド車) | ■ガソリンエンジンに加えてモーター・バッテリーを搭載 ■走行状況に応じてエンジン・モーターの2つの動力源を最適にコントロールし、燃費を向上させる ■燃料はガソリンのみ |
現在、世界の新車の販売台数のうち、EVの割合が増えており、2035年に向けてさらに割合が増加する見通しです。
引用:BCG
BCGの調査によると、2025年には世界の新車販売のおよそ20%をBEVが占め、2035年には全体の半分を超える59%を占める見込みとなっています。
特に欧州では2035年には新車販売の90%以上をBEVが占めることが予測されています。
2.世界的なEV普及の背景①脱炭素化
EV普及の背景には、世界的なカーボンニュートラルや自動車の電動化・デジタル化の加速があります。
欧州やアメリカ、中国など世界中でカーボンニュートラル達成を目指す動きが活発化しています。
例えば、世界の首脳陣が参加するCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)では、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑える目標の重要性が、以前より一層強くなり、各国でこの目標の達成に向けての、中間目標の策定や、様々な施策を進めています。
日本においても、令和2年10月26日、第203回臨時国会において、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことが宣言され、脱炭素への取り組みが加速しています。
3.世界的なEV普及の背景②ICEの販売規制
ICE車等の販売を規制する政策が各国から発表されています。
ICEとは、燃料を消費して得られる熱エネルギーを機械エネルギーに変換して動力を得る内燃機関のことです。インターナル・コンバッション・エンジンの略で、ここでは、クルマなどに搭載されるエンジンを指します。
具体的には、欧州では、フランス、ドイツ等で2030〜2040 年までに従来型自動車販売の禁止が発表されています。
<ICE販売禁止例>
国 | ICEの販売禁止等の動き |
オランダ | 2025年までに従来型自動車販売を禁止する決議案を議会下院が可決 |
アイルランド、 アイスランド、 デンマーク、 スロベニア、 イギリス | 2030年までに従来型自動車販売を禁止と政府が発表 |
フランス | 2040年までに従来型自動車販売を禁止と政府が発表 |
日本においても経産省のクリーンエネルギー戦略で以下の文言が記載されています。
2035年までに新車販売で電動車100%を目標に、多様な選択肢を追求。 |
各国のEV義務化に向けた潮流に関しては以下の記事よりご覧ください。
https://www.sc-energy.com/column/decarbonization/1081.html
4.世界的なEV普及の背景③電気自動車を購入・維持するコストの低下
バッテリー価格は、2010 年の1,100 米ドル/kWh超から 2019 年には平均156 米ドル/kWhへと 1/7 の水準まで急激に下落しており、2030 年までにはさらに 100 米ドルにまで低下するものと予想されています。(令和 2 年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査事業世界のモビリティとエネルギー転換の将来分析調査より)
例えば2023年3月に燃料自動車を含めて世界で最も売れた車種である、テスラモデルYはアメリカの自動車の平均販売価格を下回る価格で販売されています。
これに加えて、国や自治体からの導入支援があることから、導入コストが低下している傾向にあります。
5.新潟県のEV普及状況
新潟県は、平成20年10月に国が応募する「EV・PHVタウン」に応募し、平成21年3月に採択されています。
「EV・PHVタウン」とは自治体と地域企業が連携して、次世代自動車の導入や充電インフラの整備、普及啓発にチャレンジし、次世代自動車普及モデルとなる地域です。
この採択により、新潟県のEV・PHVの導入が少しずつ加速しています。
新潟県の電気自動車の導入台数の推移を以下グラフで表しています。
新潟県では令和4年5月時点で、公用車として7台の次世代車(EV、FCV、PHV)の導入が行われております。
それらの成果もあり、令和4年では新潟県内の自動車のうち、0.25%が次世代車となっています。
また、新潟県における急速充電器設置の推移は以下のようになっています。
6.新潟県のEVに係る支援制度
新潟県で電気自動車の導入台数が増えている背景には、購入と充電設備の設置に関して、様々な支援制度があることがあげられます。
支援団体 | 制度名 | 上限額 | 期間 |
次世代自動車振興センター | クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金令和4年度補正予算と令和5年度当初予算 | EV:65万円 PHEV:45万円 FCV:230万円 | 実施中 |
環境省 | 再エネ×電動車の同時導入による脱炭素型カーシェア・防災拠点化促進事業概要 | EV:120万円 PHEV:72万円 | 第2期 2023年10月31日(火)17時まで 第3期 2023年12月1日(金)~2023年1月31日(水)17時まで |
佐渡市 | 令和5年度佐渡市電気自動車導入促進補助金 | 37万5,000円 | 申請期限 2024年2月29日(木) |
刈羽村 | 令和5年度刈羽村クリーンエネルギー自動車導入事業補助金 | 20万円 | 申請期限 2024年1月31日(水) |
毎年、国や県から電気自動車を導入するコストを下げることができる補助金が、多数公募されています。
法人、個人問わず使用できるものもございますので導入の際はぜひご活用ください。
大企業を中心に脱炭素への取り組みとして、電気自動車の導入を進めている企業が増えています。
脱炭素に取り組む際は、一緒に自家消費型太陽光発電の導入も検討してみませんか?
自家消費型太陽光発電を導入して作った電気を自社で使用することによって、電力会社から購入する電気の量を減らすことにより、近年高騰している電気代削減を行うことが可能です。
蓄電機能を兼ね備えた電気自動車と併用することによって、災害時には携帯電話の充電などを行うための非常用電源として活用することも可能です。
脱炭素に向けて自家消費型太陽光発電の導入に興味のある事業者様はこちらよりご確認ください。
https://www.sc-energy.com/re-energy#sun