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コラム

補助金・税制優遇
令和5年度概算要求(経産省・環境省)より、脱炭素・省エネ・再エネ関連で活用できる補助金を解説します!

先月、2023年度予算の概算要求額が公表されました!

本日は、環境省と経産省の概算要求額と、再エネ・省エネ・脱炭素で活用できる補助事業を紹介します!

1.環境省概算要求額

概算要求額は以下の通り、2022年度と比較して、37%増となっております。

 令和4年度当初予算額令和5年度概算要求額・要望額令和5年度
(令和4年度比較)
一般会計1,487億円1,861億円25%増
エネ特1,659億円2,436億円47%増
一般会計 +エネ特3,146億円4,297億円37%増

環境省は、炭素中立(カーボンニュートラル)、循環経済(サーキュラーエコノミー)、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時達成を加速化することを掲げています。

特に、カーボンニュートラルの達成に向けては、「2030年までは勝負の10年」という強い危機感があり、今後10年間で、官民協調で少なくとも150兆円超の脱炭素分野での新たな投資を実現するとしています。

このため、環境省の概算要求額が昨年度に比べて増額しています。

2.経産省概算要求額

概算要求額は以下の通り、2022年度と比較して、13%増となっております。

 令和4年度当初予算額令和5年度概算要求額・要望額令和5年度
(令和4年度比較)
一般会計3,512億円4,186億円19%増
エネ特7,181億円8,273億円15%増
特許特別会計1,541億円1,455億円6%減
一般会計 +エネ特12,234億円13,914億円13%増

経産省の政策の重点課題は以下3つです
①コロナ禍・ウクライナ情勢による資源・物資の供給制約及び物価上昇などの対応
②持続的な成長を可能とする経済社会の実現
③福島の復興/廃炉・汚染水・処理水の対策

②持続的な成長のためには「炭素中立社会の実現」が必要であり、
再エネ・省エネの導入促進、水素サプライチェーン構築・燃料アンモニア製造技術開発や先進的CCS(二酸化炭素回収・貯留)事業の支援、カーボンリサイクルの社会実装に向けた支援、「東京GXウィーク」開催を通じたグローバル規模でのGX実現の主導、電気自動車や燃料電池自動車等の導入支援や充電・水素充てんインフラの整備を行っていく予定です。

令和5年度概算要求の中で、法人向け脱炭素関連で使える事業をご紹介します。

3.【環境省】民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業

※令和5年度要求額 20,000百万円(令和4年度当初予算3,800百万円)

本事業は以下のように分けられます。

(1)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
(2)新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
(3-1)再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業
(3-2)離島における再エネ主力化に向けた運転制御設備導入構築事業
(4)平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル 創出事業
(5)データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業
(6)公共施設の設備制御による地域内再エネ活用モデル構築事業

このうち、法人がオンサイトの自家消費型太陽光を導入する際に使える補助金が、
「(1)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」です。

本事業の太陽光発電設備の補助額は
・購入モデル:4万円/kW、
・PPA・リース:5万円/kW
・戸建住宅:7万円/kW
となっています。

*新規で太陽光発電を導入する場合に限り、定置用蓄電池単体での補助も行われます。

令和4年度の概算要求では、
PPA・リースモデルについては、蓄電池なしの場合、補助額が4万円/kWとなっていたので、令和5年度の方が補助額が大きいことが分かります。

また、(2)新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業は、

①建物における太陽光発電の新たな設置手法活用事業(補助率1/3)
駐車場を活用した太陽光発電(ソーラーカーポート)について、コスト要件(※)
を満たす場合に、設備等導入の支援を行う。
②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業(補助率1/2)
営農地・ため池・廃棄物処分場を活用した太陽光発電について、コスト要件(※)
を満たす場合に、設備等導入の支援を行う。
③オフサイトからの自営線による再エネ調達促進事業(補助率1/2)
オフサイトに太陽光発電設備を新規導入し、自営線により電力調達を行う取組につ
いて、当該自営線等の導入を支援する。
④再エネ熱利用・発電等の価格低減促進事業(補助率3/4、1/3、1/2)
地域の特性に応じた、再エネ熱利用、未利用熱利用(工場廃熱等)、自家消費型再
エネ発電(太陽光発電除く)等について、コスト要件(※)を満たす場合に、計画
策定・設備等導入支援を行う(温泉熱の有効活用のための設備改修含む)。
⑤新たな再エネ導入手法の価格低減促進調査検討事業(委託)
新たな再エネ導入手法に関する調査検討を行い、その知見を公表し、横展開を図る。

の5つの補助事業に分けられます。

特に、ソーラーカーポートの導入を検討されている事業者さまは
補助率が1/3ですので、こちらをご検討ください。

4.【環境省】サプライチェーン全体での企業の脱炭素経営普及・高度化事業

※令和5年度要求額 1,500百万円(新規)

こちらは新規の補助事業となっており、事業内容は3つに分かれています。

(1)サプライチェーンの脱炭素化促進事業
① 組織のサプライチェーンの脱炭素化支援事業
② 製品・サービスの排出量見える化・削減支援事業
③ 脱炭素経営の戦略策定・情報開示等支援事業

(2)中小企業向け脱炭素経営実践促進事業
① 脱炭素経営に係る情報提供及び排出量算定支援事業
② 地域ぐるみの中小企業支援体制構築事業
③ 中小企業の排出削減計画策定支援事業

(3)排出量算定・データ共有の基盤整備事業
① 「省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム」保守運用・改修事業
② 「省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム」活用促進調査検討事業

ここでは、中小企業向けの脱炭素経営の支援がされます。

5.【環境省】工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)

※令和5年度要求額 10,000百万円(令和4年度当初予算3,700百万円)

①CO2削減計画策定支援(補助率: 3/4、補助上限: 100万円)
②省CO2型設備更新支援
③企業間連携先進モデル支援(補助率:1/3、1/2、補助上限5億円)
④補助事業の運営支援(委託)

中小企業含む工場や事業所の脱炭素の主に計画を立てる際に使える補助事業となっています。

6.【環境省】建築物の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業

※令和5年度要求額 13,000百万円(令和4年度当初予算5,900百万円)

こちらは、業務施設のZEB化の際に主に使える補助事業となります。
新築建設物も既存建設物でも活用可能です。

延べ面積新築建築物既存建築物
2,000㎡
未満
『ZEB』3/5もしくは2/3
Nearly ZEB 1/2もしくは3/5
ZEB Ready 補助対象外もしくは1/2  
『ZEB』2/3
Nearly ZEB 2/3
ZEB Ready 補助対象外もしくは2/3
2,000㎡~
10,000㎡
『ZEB』3/5もしくは2/3
Nearly ZEB 1/2もしくは3/5
ZEB Ready 1/3もしくは1/2  
地方自治体のみ
10,000㎡
以上
地方自治体のみ地方自治体のみ

7.【経産省】省エネ・需要構造転換支援事業費補助金

※令和5年度要求額 36,000百万円(令和4年度当初予算25,320百万円)

こちらは、工場・事業場における省エネ性能の高い設備・機器への更新の際に活用できる補助事業となります。

先進的な設備を導入する場合、補助率は、中小企業が2/3、大企業が1/2となっています。
また、EMS制御を導入する場合、補助率は、中小企業が1/2、大企業が1/3となっています。

8.【経産省】需要家主導による太陽光発電導入促進補助金

※令和5年度要求額 16,500百万円(令和4年度当初予算12,500百万円)

法人が大規模な太陽光発電設備を設置・導入する場合、
機器購入費用などについて2/3または1/2が補助される事業となります。

オフサイト型PPAでの設置で活用できる補助事業となります。

まだ「概算」の段階では、ありますが、増額している補助事業も多くなっています。

ぜひ、来年度補助金の獲得に向け、今から設備導入計画をご検討ください。
省エネ・再エネの設備導入の際には弊社にご相談ください。

引用元:
経産省:令和5年度 資源・エネルギー関係概算要求の概要
環境省:令 和 5 年 度 環 境 省 重 点 施 策 集

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