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レベニューキャップ制度とは?託送料金の変更点を解説!

 

1.託送料金とは

新たに導入されるレベニューキャップ制度をご紹介する前に託送料金について触れさせていただきます。

託送料金とは、小売電気事業者が送配電網を利用する際に必要となる料金のことです。

電気が企業や家庭などの需要家に届くまでには、「発電事業者」「小売電気事業者」「送配電事業者」が必要となります。

小売電気事業者は発電事業者に発電料を支払うことによって電気を仕入れます。
そして送配電網を使用するために、送配電事業者に「託送料金」を支払うことによって需要家の元に電気が届きます。

需要家は小売電気事業者に電力料金を支払うことによって電気を受け取ることができますが、電気料金には小売電気事業者が負担する発電料と託送料金が含まれています。

つまり発電料、あるいは託送料金が値上がりすることは最終需要家である家庭や企業の負担が大きくなるということです。

2.これまでの託送料金の仕組み

2023年3月31日までは「総括原価方式」という制度が活用されます。
総括原価方式は「企業が安定して電気を供給するために必要な料金」に「一定の利益」を加えたものと電気料金が等しくなるように料金が定められている制度です。

この制度はインフラ等の公共性の高いサービスで採用されています。

メリットは送配電事業者が長期的な経営計画を立てやすいということです。
多くの場合コストを回収することが可能であるため、将来的な収入を予測しやすく、設備投資などのタイミングも決めやすくなります。

一方でデメリットとしてコスト削減が起きにくいという点があります。
一定の利益が担保されているためコストを削減しなくても企業が倒産するリスクが低く、コストカット等を行う必要がなく、消費者の負担が大きくなる一方でした。
また一定の収入が見込まれているため不要な設備投資なども行われていました。

消費者の負担の軽減と必要な設備に投資を行うよう促すべく新たな制度である「レベニューキャップ制度」が導入される運びとなりました。

3.レベニューキャップ制度とは

レベニューキャップ(revenue cap)とは「収入上限」という意味です。
この制度は国が一般送配電事業者に対して収入上限を設定し、その上限内で託送料金を設定する制度です。

託送料金を設定する際の流れは以下のようになります。
①一般送配電事業者は国が定めた達成すべき目標事項に基づき事業計画を策定
②一般送配電事業者は実施にあたり必要な費用を見積り、レベニューキャップ(収入上限)を算定し国に提出
③国が見積費用を審査し収入上限を承認
④一般送配電事業者は収入上限の範囲内で託送料金を設定

4.レベニューキャップ制度のメリット

コストの効率化

引用:レベニューキャップ制度の下での 一般送配電事業者の前提計画について
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/053_04_03.pdf

レベニューキャップ制度を導入することによって効率化を図ることができます。
これまでの制度ではどれだけコストを削減しても利益が一定となっていました。
そのため一般送配電事業者はコストカットを行うメリットは大きくありませんでした。

レベニューキャップ制度を導入するとコストが収入上限を下回った場合、利益は全て一般送配電事業者のものとなります。
そのため企業は積極的にコストカットを図り、利益を増やす努力をすることが見込まれます。

消費者の負担の軽減

引用:レベニューキャップ制度の下での 一般送配電事業者の前提計画について
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/053_04_03.pdf

国は一定の期間ごとに一般送配電事業者が収入上限を上回る収入を得ていないかどうかの評価を行います。
またコストの効率化による成果は翌期の収入上限を減らす形で反映されます。

一般送配電事業者は減らされた収入上限を超えないようにさらにコスト効率化に努めます。
コストの効率化を繰り返していくことによって託送料金を減らし、消費者の負担を軽減することが可能です。

設備投資の資金の確保

自然災害等によって送配電網に被害が起きて修繕のための費用が高くなってしまった場合、翌期の収入上限を変更することも可能です。
これによって外的要因による予期せぬ資金不足を回避し必要な設備投資を行うことが可能となります。
つまり倒産のリスクが低い、安定した経営ができます。

5.託送料金単価の見直し

レベニューキャップ制度が導入されるにあたって各送配電事業者は託送料金単価の見直しが行われました。
今回は東北電力ネットワークと東京電力パワーグリッドをご紹介いたします。
いずれも見直し後の単価は上昇するという結果となっております。

東北電力ネットワーク

【見直し前後の託送料金平均単価(税抜き)】

見直し後(円/kWh)見直し前(円/kWh)
特別高圧2.322.04
高圧4.834.56
低圧10.759.77

引用:託送供給等約款の認可申請について
https://nw.tohoku-epco.co.jp/news/pdf/__icsFiles/afieldfile/2022/12/27/20221227002.pdf

東京電力パワーグリッド

【見直し前後の託送料金平均単価(税抜き)】

見直し後(円/kWh)見直し前(円/kWh)
特別高圧2.402.26
高圧4.243.92
低圧9.028.82

引用:託送供給等約款の認可申請について
https://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/press/2022/1664516_8617.html

6.まとめ

レベニューキャップ制度は2023年4月より導入されます。
導入されることによって託送料金の値上げ、それに伴う電気料金の上昇が考えられます。

託送料金だけでなく燃料調整単価や再エネ賦課金といった電気料金を構成する他の要素も上昇することが考えられます。
それに伴い、家庭や企業の電気料金の負担はさらに大きくなるでしょう。

電気料金の負担を減らすために自家消費型太陽光発電を導入してはいかがでしょうか。
電力会社から購入する電気を減らすことができるので中長期的に経費の削減に取り組むことができます。

自家消費型太陽光発電について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
https://www.sc-energy.com/re-energy#sun

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