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【法人向け】工場やオフィスの電気代削減手法3選

1.法人の電気料金の仕組み

まずは電気代を効率的に削減するためにも、製造業の工場などで使われている高圧電力の電気代の内訳や仕組みなどを把握していきましょう。
法人であっても一般家庭であっても、電気料金の基本的な仕組みは同じです。
電気料金は以下のように算出されています。

基本料金とは電力使用量に関係なく、電力会社に毎月支払う固定料金で、電力会社のプランによってこの金額は異なります。
電力量料金は使用電力量に基づいて計算されたものに「燃料費調整額」を燃料費の変動に応じて合算して算出します。
これに再エネ賦課金を加えた額が毎月電気料金として請求されます。
まずは、この仕組みを理解し、毎月どのくらいの電気料金を支払っているのかをきちんとチェックすることをおすすめいたします。

これらの項目の中でも「燃料調整単価」が数年前と比較して大きく上昇しており、これが電気代が高騰する主な原因になっています。

自社作成

上記は直近の2年間で各電力会社の燃料調整単価がどれくらい上昇しているのかを比較したグラフとなっています。
例えば東北電力では2022年1月時点では0.79円/kWhでしたが、2024年1月では4.73円/kWhと2年間で3.94円/kWhも上昇しています。

燃料調整単価が上昇している主な理由は、ロシアによるウクライナ侵攻にあります。
この戦争により世界的に化石燃料の供給が不安定になったことに円安が重なり、化石燃料の調達価格が大幅に上がった結果、燃料調整単価が上昇し社会問題に発展するまでに電気代が高騰しました。

2.電気代削減の方法①:新電力への切り替え

ではここからは、具体的に電気代を削減する方法について解説していきます。
一つ目は「新電力への切り替え」です。
2016年4月に実施された電力小売り全面自由化に伴い、一般家庭も法人も、自らの意思で電力会社を選べるようになりました。

これまでは、大手電力会社10社(東京電力、関西電力、中部電力、中国電力、四国電力、北陸電力、東北電力、九州電力、北陸電力、沖縄電力)からしか電気を購入できませんでしたが、今では、自社にとって最適な各サービスプランを提供する新電力会社と契約を結ぶことが可能です。
新電力へ切り替えることで、電気料金が下がるだけでなく、事業所・工場・店舗が全国にあっても契約をまとめ、一本化することができ、支払いも一括でできるというメリットもあります。

一時は電気代高騰により電力調達コストが増加し、事業撤退や新規受付を停止する新電力会社が多くありました。
2023年12月時点では新電力の各社が料金プランの変更を行ったことや、電気代高騰がピークを終えたことによって新規受付を再開する新電力が増えてきました。

新電力会社は様々なキャンペーンやお客様に合わせたプランを用意しており、平時には大手電力会社よりも電気料金が低くなります。
また工事等は不要で契約変更の手続きを行うだけで効果を得ることができるため取り組みやすいことがメリットとなっています。

しかし、海外情勢等の影響によって電気料金が高くなるケースもあるのでリスクを考慮し、各社のプランを比較した上で契約を行いましょう。

外的な環境変化によるリスクに不安がある方は、次にご紹介する電気代削減効果が大きい2つの方法に取り組んでいただくことをおすすめいたします。

3.電気代削減の方法②:省エネ商材の導入

2つ目の方法は高効率な空調やLEDを導入することです。

②-1.空調

空調システムにかかる電気代を節約するためにはまず、エアコンを新調するという方法があります。

・エアコンの新調
工場や施設で、10年、20年前のエアコンをそのまま使っていませんか?
古いエアコンは最新の省エネな空調機と比べ電気代もかかり、性能自体も劣るとても非効率なものが多いです。
お使いのエアコンが規模に合っていない場合や古いものであれば、買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。

他にも空調にかかる電気代を削減する方法は以下のものがあります。
・ビニールカーテンを設置する
・サーキュレーターを設置する
・メンテナンスを定期的に行う
これらを徹底することで、空調にかかる電気料金を削減することができます。

②-2.照明

照明機器を蛍光灯からLEDに変更することで電気料金を削減することができます。

例えば60Wの白熱灯をLED照明に交換すると、それだけでおよそ85%の節電効果が得られるといわれています。

また、LED照明は寿命が長く、ランプの交換を頻繁に行う必要がないため、メンテナンス費用の削減にも繋がります。

②-3.エネマネによる電力の見える化

エネルギーマネジメント(エネマネ)とは、エネルギー使用量等をリアルタイムでデータ化・表示(「見える化」)することができるシステムであり、省エネポイントを見つけ出すことを可能とします。

エネマネは「最大デマンドの抑制」と「使用電力量の削減」で電気代を削減することに貢献します。

・最大デマンドの抑制
最大デマンドを超えないように電力の目標値を設定して、使い過ぎを監視し、電力が目標値を超えそうになった場合に、空調等を自動で制御します。

・使用電力量の削減
「見える化」によって見つけた省エネ可能なポイントを元に、空調機器の設定温度を見直すなど機器の運用方法を調整することで、日々の電気の使用量を削減することができます。

企業の省エネに興味のある方はこちらをご覧ください!
https://www.sc-energy.com/energy-saving/zeb

4.電気代削減の方法③:自家消費型太陽光発電

最後に「自家消費型太陽光発電の導入」です。
自家消費型太陽光発電とはその名の通り、自社の工場の屋根に太陽光発電を設置し、発電した電気を自社で利用する太陽光発電のモデルのことを指します。

自家消費型太陽光発電は発電した電気は売電するのではなく、基本的に自社で利用しますので、その分電力会社から買う電気を減らすことができるため、電気代の削減になります。

他の取り組みに比べて、導入にあたる初期費用が高額になりますが、電気代削減の効果はもっとも高くなります。

<自家消費型太陽光を設置した場合の電気代削減例>

システム容量:100kW
システム費用:1,600万円
20年間の発電量:2,200,000kWh
電気料金単価:25円/kWh(燃料調整費、再エネ賦課金含む)
の場合

16,000,000円(システム導入費用)÷2,200,000kWh=7.27円/kWhとなり、
7.27円/kWhで電気を購入しているのと同様となります。

電気料金購入単価が25円/kWhの場合は、
25円/kWh-7.27円/kWhで
17.73円/kWhの電気料金の削減が可能となります。

また、自家消費型太陽光は電気代削減だけでなく、停電時に非常用電源として活用できること、節税対策として有効であること、クリーンエネルギーとして環境貢献出来ることなど、様々なメリットがあります。

自家消費型太陽光発電のメリットについてこちらで詳しく解説しております。

「自家消費型太陽光発電とは?」>>

太陽光発電は高額商品だと思われる方も多いかと思いますが、太陽光発電の導入の際は補助金や優遇税制を活用することができるため、コストを抑えて導入が可能です!
「令和6年度概算要求(経産省・環境省)より、脱炭素・省エネ・再エネ関連で活用できる補助金を解説します!」>>

「【カーボンニュートラル投資促進税制】を徹底解説!太陽光発電導入など設備導入で活用できる税制とは?」>>

5.最後に

企業の電気代削減方法を3つご紹介させていただきました。
法人のお客様であれば省エネ商材の導入か、自家消費型太陽光発電の導入が電気代削減の効果が大きいため、おすすめの方法になります。

電気の使用量の抑制と、発電による購入する電気の削減の二つの方法で電気代を削減することで圧迫する企業の経費を抑えることができます。

太陽光発電・省エネ設備の導入をするなら弊社にお任せください!
お客様に合わせた電気代削減方法をご提案させていただきます。

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