コラム
「電気代が上がり経営を圧迫している…」
2024年10月からの電力料金値上げ、また11月においては補助金が終了となるため、法人向けの電気代も大幅な負担増が予想されています。
特に製造業やサービス業における電気料金は、運営コストに大きな負担となります。
今回は、過去の電気料金の経過や今後の予想、さらに企業が取るべき対策について解説します。
1.直近の電気代動向
改めてお伝えさせていただきますと、
法人向け電気代の高騰には、様々な要因が複雑に絡み合っています。
主な要因は以下の通りです。
◆燃料価格の高騰
ロシアのウクライナ侵攻などにより世界情勢が不安定になり、火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)や石炭、石油の価格が高騰し、電気代の上昇を招いています。
◆円安
円安により上記の燃料の輸入価格が上昇し、電気代にも反映されています。
◆再生可能エネルギー賦課金の上昇
再生可能エネルギーの導入を促進するための賦課金が、電気料金に上乗せされています。
(2024年現在は1kWhあたり3.49円となっています。)
主には、これらの要因が重なり、電気料金は上昇の一途を辿っています。
続いて、これまでの電気料金の推移をみていきましょう。
以下は全国平均の低圧電力の電気料金単価の推移です。
参考:各電力会社、新電力ネットの情報を元に弊社にて作成
グラフからもわかるように、電気料金は年々上昇しており、特に近年は急激な上昇を見せています。
今年の8月からの電気料金に対して「1kWhあたり最大4円」という「酷暑乗り切り支援」がありましたが、ここの補助金は10月で終了し、11月からは電気代が高くなることが見込まれます。
補助金は、あくまでも一時的な措置ですので、中長期的に見れば、根本的に電気代削減への対策をすべきです。
2.中小企業が取り組むべき電気代対策
電気料金の高騰は、企業にとって大きな負担となります。特に中小企業は、大企業に比べて経営体力も弱いため、早急な対策が必要です。
そこで、効果的な電気代対策をいくつかご紹介します。
1. 省エネの徹底
まずは、基本的な省エネ対策を徹底しましょう。
①照明のLED化
消費電力の少ないLED照明に交換することで、大幅な節電効果が期待できます。
LED照明であったとしても、古いモデルから最新モデルに切り替えることで、省エネ効果が期待できます。
②空調の効率的な利用
設定温度の見直しや、フィルターの定期的な清掃などを行いましょう。
特にフィルターにおいては、すぐに、誰でもできる施策です。
日常的な掃除項目に追加するなど、工夫しながら、空調負荷低減に努めましょう。
2. 電力会社の見直し
電力会社を切り替えることで、電気料金を削減できる可能性があります。
一時期では、電力市場の大きな乱れから、新電力会社の撤退等が相次ぎましたが、この1年程で落ち着き始めており、「市場連動プラン」などのプランで、従来の大手電力会社よりも安い料金プランを提供しているケースが増えています。
複数の電力会社の料金プランを比較検討し、自社の電力使用状況に合ったプランを選びましょう。
3. 再生可能エネルギーの導入
太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入することで、電気料金を削減できるだけでなく、環境負荷の低減にも貢献できます。
初期費用はかかりますが、長期的に見ると大きな経済メリットがあります。国や地方自治体による補助金制度も公表されていますので、活用を検討してみましょう。
また、太陽光発電では、「PPA」という無料設置モデルが増えています。太陽光発電設備自体は、第三者所有となり、太陽光で作った電気を設置先である企業が購入する、という契約を締結します。
これにより、初期費用やさらにはランニングコストが不要で安い電気を使用することができます。しかし、実際の経済メリットや中長期的に運用した場合のトータルメリットでは、「自己所有型」の方が高い傾向にあるため、十分に検討することをお勧めします。
4. ピークカット・ピークシフト
電力使用量のピークを抑える「ピークカット」や、ピーク時間帯の電力使用を避ける「ピークシフト」を行うことで、電気料金の基本料金を削減することができます。
<ピークカット>
電力使用量の多い時間帯を特定し、その時間帯の電力使用を抑制する取り組みです。
<ピークシフト>
電力需要の少ない夜間などに電力を使うように、稼働時間を調整する取り組みです。
電力使用状況を分析し、ピーク時間帯を把握することで、効果的なピークカット・ピークシフト対策を実施できます。
いかがでしたでしょうか?
弊社でも、太陽光発電の設計・施工、さらには補助金申請サポートも含め対応可能です。
さらに、空調やLED照明などの省エネ設備についても、ご提案を行っております。
お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。