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ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング:ゼブ)とは、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができます。
1.パッシブ技術とアクティブ技術
ZEBの実現には、建築計画的な手法(パッシブ技術)と設備の効率化(アクティブ技術)を重ね合わせることで、 省エネルギー化を図ることが重要です。
パッシブ技術 | エネルギーを極力必要としない | ・高断熱化 ・日射遮蔽 ・自然換気、昼光利用 |
アクティブ技術 | エネルギーを無駄なく上手に使う | ・高効率空調 ・高効率換気 ・高効率照明 ・高効率給湯 ・高効率昇降機 |
2.ZEBの種類
ZEBは基準値に対する一次エネルギー消費量削減割合からランク付けされます。
ZEB Oriented | 基準値に対する一次エネルギー消費量削減率 ・オフィス、学校、工場 :40%以上 ・ホテル、病院、飲食店など:30%以上 ※延床面積10,000㎡以上が条件 ※未評価技術の導入が条件 |
ZEB Ready | ・基準値に対する一次エネルギー消費量削減率50%以上 |
Nearly ZEB | ・基準値に対する一次エネルギー消費量削減率75%以上 ※創エネが必須 |
『ZEB』 | ・基準値に対する一次エネルギー消費量削減率100%以上 ※創エネが必須 |
ここでの基準値とは、基準一次エネルギー消費量を指し、所在地域、室用途、導入設備により定められる基準となる建物の標準的な一次エネルギー消費量のことをいいます。
ZEBのメリット
①経費削減
遮熱シート、LED等の省エネ商材を導入し、エネルギーの消費量を抑え、太陽光発電で電気を自給自足することで電気代を削減することができます。
事務所ビル・スーパーマーケット・病院など様々な施設で50%省エネルギーを実現した場合、室内環境の質を維持・向上しつつも、年間で40〜50%の光熱費を削減することができます。
※環境省 地球環境局発行「ビルは”ゼロ・エネルギー”の時代へ。」より
②快適性・生産性の向上
断熱・遮熱機能や空調設備の導入により、エネルギー消費量を抑えながら、快適性を向上させることができます。
③企業価値の向上
近年、SDGsやESG投資など、企業が環境に配慮した行動をすることが求められています。その中でZEB化を推進することは環境面の評価につながります。
④事業継続性の向上
創エネ設備があれば、災害時であってもエネルギーを自給自足することができます。
創エネ設備がなくとも、省エネを行っていれば、建物機能の維持に必要な最低限のエネルギーを抑えることができ、非常時のエネルギー自立性につながります。
3.「ZEB」を実現させる方法
省エネ・創エネの導入には初期費用が掛かりますが、国からの補助金を活用することで、費用を抑えて導入することができます。
令和4年度は環境省の「建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業」と
経産省の「住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業」の補助金が活用できます。
<補助金・延べ面積別の補助率一覧>
延べ面積 | 環境省 建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業 | 経産省 住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業 | ||
新築建築物の補助率 | 既存建築物の補助率 | 新築建築物の補助率 | 既存建築物の補助率 | |
2,000㎡未満 | 『ZEB』3/5もしくは2/3 Nearly ZEB 1/2もしくは3/5 ZEB Ready 補助対象外もしくは1/2 | 『ZEB』2/3 Nearly ZEB 2/3 ZEB Ready 補助対象外もしくは2/3 | 対象外 | 対象外 |
2,000㎡~ 10,000㎡ | 『ZEB』3/5もしくは2/3 Nearly ZEB 1/2もしくは3/5 ZEB Ready 1/3もしくは1/2 | 地方自治体のみ | 対象外 | 2/3 |
10,000㎡ 以上 | 地方自治体のみ | 地方自治体のみ | 2/3 | 2/3 |
補助金を活用しながら、ZEBの検討をしてみてはいかがでしょうか?
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