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コラム

創エネ・再エネ
太陽光発電シミュレーション・・・その根拠と計算手順

近年の電気料金の高騰や再エネ需要の高まりに伴い、弊社への太陽光発電設備の見積依頼が増えています。その際に見積とともに必ず提出するのが、設備投資額、自家消費電力量、投資回収年数などが計算された発電シミュレーションです。

しかし、お客様の中には「本当にこのシミュレーション通りになるのか?」、「削減金額や投資回収の根拠がわからない」と思う方もいらっしゃるようです。

実際に太陽光発電のシミュレーションは各社で計算方法が異なっていますし、弊社も含めてシミュレーションの結果に保証を付けている会社はほとんどありません。皆さんが、シミュレーションの結果に、疑問や不安を持たれるのも当然のことと思います。

そこで、今回は太陽光発電設備を検討されている方の不安解消のために、弊社のシミュレーションが何を根拠にどういった手順で作成されているのかを解説いたします。

 

1.シミュレーション作成のための情報

正確なシミュレーションを作成するために下記の情報が必要になります。

・設置場所情報
設置場所の図面、屋根に設置する場合は屋根材や屋根形状の情報も必要になります。
これらは太陽光パネルなど機器類の設置場所、数量の検討のために使用します。

・電気料金明細
契約している電力会社から提供される金額の入っている明細が必要になります。この情
報は電力料金単価の算出のために使用します。

・30分デマンドデータ
一般的には契約している電力会社から提供してもらいますが、デマンド監視装置が設置されている場合は自社で用意することができます。この情報は自家消費率(発電した電力をどのくらい無駄なく使えるか)の算出のために使用します。

 

2.発電量の算出方法

ご提供いただいた設置場所情報を基に太陽光パネルの設置枚数、設置位置の作図をおこない、太陽光パネルの角度(方角と傾斜角)と合計容量を算出します。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が提供している日射量データベースでは、全国各地の1年間の日射量を1時間ごと(24時間×365日=8,760時間)に参照できます。このデータと先ほど算出した太陽光パネルの角度・合計容量より、発電量を1時間ごとに算出します。

(新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 日照量データベースhttps://appww2.infoc.nedo.go.jp/appww/index.html) 

 

3.自家消費量の算出方法

ご提供いただいた30分デマンドデータと上記で算出した1時間ごとの発電量を照らし合わせて年間の30分ごとの自家消費量を算出します。

例えば、昨年の4月5日10時には50kWhの消費があり、太陽光発電で30kWh発電した場合は発電量がすべて消費されるので、自家消費量が30kWh(自家消費率は100%)になります。また、5月10日14時は休日のため15kWhしか消費がなく、同じく太陽光発電で30kWh発電した場合は、自家消費量は発電量の半分の15kWh(自家消費率は50%)になります。

このようにして30分ごとに算出した自家消費量の年間の合計を弊社のシミュレーションでは使用し、お客様が削減できる電力の量として提案しております。

 

4.年間メリット、投資回収の算出方法

ご提供いただいた電気料金明細を基に電力料金単価を算出し、上記の年間の自家消費量に掛けることで年間の電気代削減金額を算出します。
また、弊社が提案する設備の導入金額を年間の電気代削減金額で割ることで投資回収年数を算出し、シミュレーションに記載しております。

実際にはシミュレーションソフトで計算しているため、本記事でまとめたような手順を手計算でおこなっているわけではありませんが、計算方法は以上のようになっております。
どういった計算方法でシミュレーションができているのか知ることで、不安なく検討を進めることができるかと存じます。

弊社ではお客様の安心と信頼を得るために、丁寧かつ正確なシミュレーションを心がけております。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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