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昨今、グローバル企業の気候変動対策に関する情報開示・評価の国際的なイニシアチブの影響力が強くなっています。
イニシアチブには、CDPやSBTなどありますが、本日はRE100について紹介します。
1.「RE100」とは?
企業が電力を100%再エネで賄うことを目指した枠組みに「RE100」があります。
「RE100」は、アップル、マイクロソフト等世界の大手企業を中心に、
現在24か国から356社の参加があります。
日本はアメリカ93社に次ぐ66社が参加しています。
日本の加盟企業は以下です。2022年3月現在
旭化成ホームズ/安藤・間/熊⾕組/住友林業/積⽔ハウス/⼤東建託/⼤和ハウス⼯業/東急建設/⼾⽥建設/⻄松建設/LIXILグループ/アサヒグループホールディングス/味の素/キリンホールディングス/⽇清⾷品ホールディングス/明治ホールディングス/花王/資⽣堂/積⽔化学⼯業/エーザイ/⼩野薬品⼯業/第⼀三共/TOTO/フジクラ/ノーリツ/アドバンテスト/カシオ計算機/コニカミノルタ/セイコーエプソン/ソニー/ダイヤモンドエレクトリックホールディングス/ニコン/⽇本電気/パナソニック/富⼠通/富⼠フイルムホールディングス/村⽥製作所/リコー/島津製作所/アシックス/オカムラ/東急/⽇本ユニシス/野村総合研究所/アスクル/イオン/コープさっぽろ/J.フロント リテイリング/セブン&アイ・ホールディングス/⾼島屋/丸井グループ/ワタミ/城南信⽤⾦庫/第⼀⽣命保険/アセットマネジメントOne/芙蓉総合リース/いちご/東急不動産/野村不動産ホールディングス/ヒューリック/東京建物/三井不動産/三菱地所/エンビプロ・ホールディングス/セコム/楽天 |
「REaction」は2014年に開始したイニシアティブで
国際環境NGOのThe Climate Group(TCG)がCDPと協力して発足されました。
2.「RE100」の参加条件
RE100の参加条件は、年間消費電力量が100GWh以上あるということです。
※日本企業向けには、年間消費電力量50GWh以上という、特例が儲けられています(2020年9月4日に決定)
また、RE100を達成するための、期限付きの目標を設定する必要があります。
目標の最小要件は以下となります。
•2050年までに再エネ比率100%
•2040年までに再エネ比率90%
•2030年までに再エネ比率60%
RE100で対象となる事業活動は、「Greenhouse Gas Protocol」に準拠し、以下となります。
・全てのScope 2排出
・自家発電に伴うScope 1排出 (輸送/熱利用は含まない)
・50%以上の資本を保有しているブランドや企業グループの範囲のすべての企業と活動
(50%以下の資本を保有している企業(フランチャイズや共同所有)は個別に判断)
RE100はグループ単位で参加する必要があり、
親会社と明確に異なるブランドや1TWh以上の消費電力量がある場合、
例外的に子会社の加盟が認められています。
そして、RE100に加盟すると、
毎年「RE100 Reporting Spreadsheet」
もしくは「CDP climate change questionnaire」を通して
進捗報告をする必要があります。
すでにRE100を達成した場合についても、
「RE100 Reporting Spreadsheet」にさらに具体的に「調達」についてのRE100達成状況を
報告しなければなりません。
以下のセクターはRE100に加盟できません。
• 化石燃料
•航空会社
•弾薬
•ギャンブル
•タバコ
再生可能エネルギーの製品(太陽光パネルなど)の製造企業は以下の基準でRE100に参加できます。
・年間消費電力量が100GWh以上
・メイン事業が、製品製造である(施工・販売・コンサルティング等のサービスが全体の売上高の50%を超えてはならない)
3.「RE100」の参加方法
「RE100」に参加するには、まずinfo@RE100.org.にメールを送ります。
そのあと申し込みフォームに入力を行います。
※すべて英語となります。
4.「REaction」とは?
「RE100」は国際的な枠組みで大企業が参加するイニシアティブですが、
国内の中小企業が参加できるイニシアティブに「REaction」があります。
「REaction」は、2050年までに使用電力を100%再エネに転換することを目標とし、
公表するイニシアティブであり、
現在230以上の団体が参加しています。
「REaction」は2019年に発足され、
グリーン購入ネットワーク・イクレイ日本・公益財団法人 地球環境戦略研究機関・日本気候リーダーズ・パートナーシップ・一般社団法人 地球温暖化防止全国ネットが運営しています。
5.「REaction」の参加条件
「RE100」の対象は、年間消費電力量が50GWh以上である一方、
「REaction」の対象は、年間消費電力量が50GWhに満たない団体となります。
「REaction」は企業だけではなく、自治体・教育機・医療機関も加盟することができます。
「REaction」の参加要件は以下3点です。
① 遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネに転換する目標を設定し、対外的に公表する
② 再エネ推進に関する政策提言の賛同など、政策エンゲージメントを実施する
③ 消費電力量、再エネ率の進捗を毎年報告する
また、以下の企業は参加できません。
① RE100の対象となる企業(年間消費電力量50GWh以上の団体は参加できません)
② 主な収入源(売上50%以上)が、電力関連事業である
6.「REaction」の参加方法
「REaction」に参加するために、参加者が行うことは主催者に参加申込書とロゴマークを提出し、参加費を支払うことのみです。
参加申込書には
・全消費電力量(kWh)(必須) ・再エネ100%達成目標年・中間目標(必須)
・再エネ電力割合(*任意)
を記載します。
弊社長谷川電気工業所もREactionに参加していますが、
中間目標として、[2025年30%][2030年50%][2040年80%]を設定しています。
また、「REaction」の参加費用は種別や区分によって変わります。
種別 | 区分(従業員数/機関) | 年額 |
【企業】 | 10人以下 | 25,000円 |
11人以上300人以下 | 50,000円 | |
301人以上500人以下 | 75,000円 | |
501人以上1,000人以下 | 100,000円 | |
1,001人以上 または 投資法人 | 200,000円 | |
【行政】 | 中央省庁・都道府県・政令指定都市 | 100,000円 |
上記以外の行政機関 | 50,000円 | |
【非営利団体】 (学校法人、社会福祉法人、医療法人、消費生活共同組合など) | 10人以下 | 25,000円 |
11人以上300人以下 | 50,000円 | |
301人以上500人以下 | 75,000円 | |
501人以上 | 100,000円 |
7.再エネ比率100%達成のために何をすべきか
再エネ比率を2050年までに達成するために取り組むべきことは3つです。
①自家消費型太陽光発電の導入
自社敷地内・敷地外に太陽光発電設備を導入することで、
自社で使うエネルギーを再エネで賄うことができます。
②再エネ100%の電力プランに切り替える
再エネ100%プランを提供する電力会社が増えていますので、
自家消費型太陽光で賄えない分については再エネ由来の電気を購入します。
③再エネ証書を購入する
①や②でも難しい場合については、
再エネ電力由来J-クレジットやグリーン電力証書、非化石証書の購入によって
再エネ比率100%の達成が可能です。
しかし、2021年4月のJ-クレジットの平均落札価格は約1.17円/kWhと、
需要の高まりに応じて上昇してきています。
8.REactionに参加するメリット
環境・社会・ガバナンスなど非財務情報をもとに投資を行う「ESG投資」が加速しています。
大企業の多くが環境保全の取り組みを「ESG報告書」や「CSV報告書」で公表し、
再エネの導入状況をデータで開示しています。
大企業がサプライチェーンまで再エネの導入を求めていて、「再エネ100」を宣言しているということは、
中小企業にとっても脱炭素に取り組んでいることが、今後のビジネス拡大において大きなアドバンテージとなります。
脱炭素経営、太陽光発電、蓄電池、省エネ設備のことならいつでもご相談ください!