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コラム

補助金・税制優遇
令和7年度(2025年度)概算要求案まとめ

今回は2024年8月末に各省庁から発表された概算要求案の中で、
太陽光発電設備に活用できる補助金内容をご紹介させていただきます。

※ご注意点
本情報は概算要求案の情報となり、最終的に内容が変更になる場合がございます。ご了承のほどよろしくお願いいたします。

 

1.経済産業省・環境省とも予算額が増加見込み

まずは令和7年度の全体の概算要求額について見ていきましょう。
太陽光発電設備の補助金が例年発表されている経済産業省・環境省では、それぞれ以下のように増額となっています。

①経済産業省

総計:2兆3,596億円(令和6年度比+4,524億円)
うち、エネルギー対策特別会計:7,818億円(同比+276億円)

 

②環境省

総計:7,962億円(令和6年度比+2,215億円)
うち、エネルギー対策特別会計:1,816億円(同比+121億円)

経済産業省・環境省とも、重点施策としては、
「GX」、「AI」、「半導体」、「脱炭素」、「再エネ」といったキーワードが盛り込まれており、
次年度の予算も多く盛り込まれることになりそうです。

 

2.経済産業省の補助金情報

【名称】需要家主導型太陽光発電及び再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業
【予算】113億円
【対象者】発電事業者(太陽光発電の所有者)
【対象設備】太陽光発電・蓄電池
【補助率】1/3~1/2

経済産業省では、「需要家主導型太陽光発電及び再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業」という補助金が発表されています。

この補助金では、事業が2つに分かれており、
(1)需要家主導型太陽光発電導入支援事業
(2)再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業
となっておりますが、企業の電気代削減目的等では上記(1)が対象となるため、本記事では(1)の内容を解説いたします。

「需要家主導型太陽光発電導入支援事業」では、自社の屋根や敷地内に太陽光発電を設置することができない場合に、
遠隔地に太陽光発電を設置し、そこで発電された電気を自社へ供給するという取り組みで活用することができます。

本事業では、「オフサイトPPA」と呼ばれる事業スキームとなり、以下の図のように、
①発電事業者(太陽光発電の所有者)
②電力小売事業者(電力会社)
③需要家(電気を使用する企業)
の3者間における契約を締結します。
実際に補助金を受け取るのは上記①の発電事業者になりますが、設置費用を抑えられることから、実際に電気を使用する③需要家にとっては「電気代削減」の効果が見込めます。

 

3.環境省の補助金情報①

【名称】ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
【予算】119億円
【対象者】需要家(実際に電気を使う企業)
【対象設備】太陽光発電・蓄電池・EV/PHEV・充放電設備
【補助率】太陽光:4~5万円/kW(戸建て除く)、蓄電池:未定
     EV/PHEV:蓄電容量の1/2×4万円/kWh、充放電設備:未定

上記の補助金は企業の施設の屋根や敷地内に太陽光発電や蓄電池等を設置し、
発電する電気を電気代削減に充てる(自家消費)目的の場合に活用することができます。
例年公表されている補助金となり、次年度も引き続き発表される見込みです。

この補助金では、設備導入パターンが主に2つあり、
①太陽光発電+蓄電池
②太陽光発電+EV/PHEV+充放電設備
となるため、太陽光発電単体で補助金を受けることができないため、注意が必要です。

 

4.環境省の補助金情報②

【名称】建物等における太陽光発電の新たな設置手法活用事業
【予算】119億円
【対象者】需要家(実際に電気を使う企業)
【対象設備】ソーラーカーポート・蓄電池・EV/PHEV・充放電設備
【補助率】ソーラーカーポート:8万円/kW、蓄電池:未定

上記の補助金も例年公表されているもので、
敷地内の駐車場を有効活用し、ソーラーカーポートを設置することで、
発電した電気を電気代削減に充てる(自家消費)目的の場合に活用することができます。

本補助金についても、先述の補助金同様、EV/PHEVや充放電設備も同時に導入することができますが、ソーラーカーポート単体の導入でも補助金を受けることができます。

 

5.補助金を活用するための動き方

補助金は「年度事業」であり、補正予算を除き、すべての公募は「翌年度(2025年4月1日以降)」に順次開始となります。
それまでの期間では、各補助金の執行団体の選定や、公募開始に向けた説明会が行われる予定ですが、各補助金によりスケジュールにバラつきがあるため、定期的に各省庁の予算情報を確認する必要がございます。

<一例として、4月公募開始に間に合うように導入スケジュールを組んだ場合>

1月:設備導入効果の検証(概算見積・導入シミュレーションの作成など)
2月:前年の補助金公募情報を元に、申請資料の原案作成
3月:補助金内容説明会(執行団体が主催するもの)への参加
4月:正式な申請資料の作成・提出

補助金は公募期間や予算上限があることから迅速な対応が求められます。
したがって、上記のスケジュールのように過去の公募情報も参考にしながら、余裕を持った申請準備を進めていくことが重要となります。

太陽光発電の導入をご検討の場合は、来年1月からの本格検討に間に合うように、今から簡易的なシミュレーション作成や設置に関わる情報収集を進めていくことをお勧めいたします。

いかがでしたでしょうか?
弊社でも、太陽光発電の企画・設計・施工、さらには補助金申請サポートも含め対応可能です。
さらに、空調やLED照明などの省エネ設備についても、ご提案を行っております。
お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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